私が最初のWeb制作で学んだ、今でも大切にしている4つのこと
投稿日: 2025-09-27
こんにちは、Webディレクターの渡邉です。
今回は、右も左もわからなかった私が、Web業界に飛び込んで初めてサイト制作に携わったときに学んだ、「超」がつくほど基本的なことについてお話ししたいと思います。
Webの知識がまったくない状態からのスタートだったので、正直なところ、何から手をつけていいのかもわからず、毎日が手探りでした。そんな中で、「これ、もっと早く知りたかった…!」と心から思ったことを、未来の自分への備忘録として、また、これからWebディレクターを目指す方や、同じように未経験から奮闘している方に向けて、少しでも参考になれば嬉しいなと思い、まとめてみました。
1. 「スケジュール」を立てるのが、すべての始まり
Webサイト制作というと、どうしてもデザインやコーディングといった「作る」作業に目が行きがちですよね。私も最初はそうでした。でも、いざプロジェクトが動き出すと、「スケジュールこそが命綱だ」と痛感することになりました。
よくハマった落とし穴
要件定義が終わって一安心、でも、そこからの作業の洗い出しが甘くて、大事な工程がポロっと漏れてしまう。結果、見積もりも甘くなり、後から「これも必要でした…」なんて追加作業が出てきて、あっという間にスケジュールが崩壊…。
私が学んだこと
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作業は、これでもかというくらい細かく分ける
要件が決まったら、それを実現するために必要な作業を、パズルのピースのように細かく分けていきます。「ワイヤーフレーム作成」「デザイン」「コーディング」「テスト」といった大きな括りだけでなく、「トップページのデザイン」「下層ページのデザイン」「アイコンのデザイン」というように、具体的に分解していくのが、精度の高いスケジュールを作るコツだと気づきました。 -
「これくらいで終わるかな?」は危険。バッファは心の余裕
洗い出した作業に、どれくらい時間がかかるかを見積もるのですが、これがまた難しい。特に経験が浅いと、どうしても見積もりが甘くなりがちです。だから、自信がない作業については、デザイナーさんやエンジニアさんに「正直、これってどれくらいかかりますか?」と素直に相談することが、本当に大事だと学びました。専門家の意見を聞きつつ、予期せぬトラブルに備えて「バッファ(予備時間)」をしっかり確保しておくことが、プロジェクトを円滑に進めるための鍵でした。 -
「見える化」で、みんなが安心する
Excelでも何でもいいので、誰が・いつまでに・何をやるのかを、関係者全員が見える状態にしておく。これだけで、「あの件、どうなったっけ?」という確認の手間が省け、タスクの漏れも防げるようになりました。
スケジュール管理を最初のうちにおろそかにすると、後で本当に大変なことになります。最初に時間をかけてでも、しっかりとした土台を作ることが、プロジェクト成功への一番の近道だと、身をもって学びました。
2. 「専門用語」の壁は、素直さで乗り越える
初めてエンジニアさんやデザイナーさんと話したとき、飛び交う専門用語に圧倒されました。「LP」「CMS」「SEO」「UX/UI」…まるで外国語を聞いているかのようでした。
よくハマった落とし穴
ここで知ったかぶりをしてしまい、後で「すみません、さっきのってどういう意味でしたっけ…」と聞き返すことに。相手の時間を二重に奪ってしまう、一番やってはいけないことでした。
私が学んだこと
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「教えてください」は、恥ずかしいことじゃない
わからないことを、わからないままにしない。「すみません、その言葉の意味を教えてもらえますか?」と、勇気を出して聞く。最初は少し恥ずかしいかもしれませんが、これが一番の近道でした。 -
私は「翻訳家」なんだと気づく
お客様の「もっと多くの人に知ってもらいたい」という言葉を、「このサイトのゴールは、問い合わせ件数を増やすことですね」のように、具体的な言葉に置き換えてチームに伝える。逆に、チームが使う専門用語を、お客様にもわかるようにかみ砕いて説明する。この「翻訳」こそが、ディレクターの大事な仕事なんだと気づかされました。
3. 自信は「小さなできた!」の積み重ねで育てる
未経験からWebディレクターになった私が、最初に抱えていた一番大きな不安は、「本当に自分にできるんだろうか?」という、漠然としたものでした。
よくハマった落とし穴
その不安から、なかなか行動に移せない。大きな成果を出さなきゃと焦るあまり、目の前の小さなタスクに集中できない。
私が学んだこと
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大きなタスクは、小さく分解して一つずつ
「打ち合わせの資料作成」という大きなタスクも、「目的を整理する」「アジェンダを作る」「過去の議事録を見返す」というように、一つずつクリアできる小さなタスクに分解する。 -
「できた!」を、ちゃんと目で見て確認する
一つタスクを終えるたびに、チェックボックスを塗りつぶす。この小さな「できた!」の積み重ねが、少しずつ私の自信になっていきました。 -
自分の過去は、意外な武器になる
陸上自衛隊での経験は、Web業界では役に立たないと思い込んでいました。でも、上司に相談してみると、「プロジェクト管理やチームマネジメントに、その経験は絶対に活きるよ」と言ってもらえて、自分の強みとして捉えられるようになりました。
何かを成し遂げるには、まず小さな成功体験をコツコツと積み重ねていくこと。それが、大きなプロジェクトを成功させるのと同じくらい、いや、それ以上に大切なことなのかもしれないと、今では思っています。
4. 忘れてはいけない、チームへの「ありがとう」
Webサイトは、決して一人では作れません。デザイナーさん、エンジニアさん、ライターさん、そしてお客様。たくさんの人の協力があって、初めて形になります。
よくハマった落とし穴
プロジェクトが忙しくなると、つい自分のことで頭がいっぱいになり、「あれ、どうなりました?」と催促ばかりしてしまう。
私が学んだこと
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「ありがとう」を、言葉にして伝える
デザインが上がってきたら「素敵なデザインをありがとうございます!」コーディングが終わったら「これで公開できます、ありがとうございます!」。たった一言ですが、感謝の気持ちを言葉にすることで、チームの雰囲気がまったく変わることに気づきました。 -
頑張りを、ちゃんとねぎらう
厳しいスケジュールの中、チームが頑張ってくれている姿を見たら、「あと少しです、頑張りましょう」だけじゃなく、「いつも本当にありがとうございます」「大変でしたよね」と、その頑張りを認める言葉をかけるようにしました。
5. まとめ
私がWebディレクターとして初めてのサイト制作で学んだのは、技術的な知識よりも、 「人との関わり方」 や 「仕事への向き合い方」 といった、もっと根本的なことでした。
スケジュールをしっかり立てて、小さな成功を積み重ね、そして関わってくれる人たちへの感謝を忘れない。
これらはWebディレクターという仕事だけでなく、どんな仕事にも通じる、とても大切なことだと感じています。この初心を忘れずに、これからも日々学び続けていきたいです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。